7月に購入した本

今月は控えたつもりだったのに。 「北欧スタイルNo.7」耷出版社1200本 北欧雑貨の紹介。最近は雑貨中心の編集で購入を止められない。まんまと手中に。 「おおきく振りかぶって4」ひぐちアサ 講談社アフタヌーンKC514本 女性にもブレイクの野球マンガ…

7月最後 中島京子、「言葉少年」

「さよなら、コタツ」中島京子 マガジンハウス1400別 雑誌記者のお仕事を通じて、自分の中にストックされていったいろんな「部屋」とそこに住む人たちを小説にしたとのこと。36歳の誕生日を迎える独身女性が男を待つ部屋(表題作)過去の女性を夢に見る結…

「蒲公英草紙 常野物語」恩田陸

「蒲公英草紙 常野物語」恩田陸 集英社1470 「光の帝国 常野物語」から遡って、20世紀初頭、常野の故郷に近い東北の豊かな村の慈愛深い大地主槙村家。お屋敷の末娘聡子お嬢様の話し相手、峰子の目を通して語られる物語。それぞれに個性的な槙村の兄弟達、…

「光の帝国 常野物語」恩田陸

(再)「光の帝国 常野物語」恩田陸 集英社文庫 恩田さんの新刊「蒲公英草紙 常野物語」集英社1470(常野シリーズの2冊目)を読むために再読。ひっそりと在野に暮らす特殊な能力を持つ一族を主人公にした連作。どれもすごくいい。かつて筒井康隆の七瀬シリ…

「スペース」シリーズ(3部作) 加納朋子

「スペース」加納朋子 東京創元社 創元クライム・クラブ 前2作から10年を経て書かれたシリーズ3作目だが作中の時間は連続している。駒子が瀬尾さんに委ねる最後にして最大の謎。手紙に書かれたこと書かれなかったこと。「バックスペース」では語り手が代…

7月中旬 倉知淳、群ようこ、中島たい子

「ほうかご探偵隊」倉知淳 講談社ミステリランド2100 小学校高学年辺りをターゲットにしたこのシリーズがとても気に入っている。バラエティに富んで、作家さんれぞれの作風や創作の源がちょっぴり覗ける。その中でやっぱり多いのが、同級生グループが謎を追…

「ユージニア」恩田陸

「ユージニア」恩田陸 角川書店1700本 金沢の名家で起きた一家毒殺事件(中大垣事件)から10年、事件を目撃した隣家の3人兄妹の末娘、雑賀満喜子が学生時代に関係者をインタビューして書いた本「忘れられた祝祭」。そしてそれすら過去になった今、再び関…

「ムーン・コテージの猫たち」マリリン・エドワーズ

「ムーン・コテージの猫たち」マリリン・エドワーズ著、松井みどり訳 研究社1600本 私がひかれたのは“ムーン・コテージ”なのだけど、全編猫の話でした。誇り高き老猫セプティと新参の猫好きを魅了する美猫オットー。育児をのんきに楽しめる時代ではなくなっ…

「雀」谷村志穂

「雀」谷村志穂 河出書房新社1600本 裕福な男性を渡り歩き豪華で気ままな愛人生活を罪悪感なく続ける雀。その学生時代のダンスメイトの女4人。それぞれが独自の恋愛感を持ち、今の自分に満ち足りず何かを求めている。そんな5人を魅了する「砂漠に木を植え…

「真夜中の金魚」福澤徹三

「真夜中の金魚」福澤徹三 集英社1700本 東京でモメ事を起し九州にUターン、クラブよりは安いがスナックよりは高い程度の呑み屋「ギルビー」を切り盛りするチーフの“おれ”25歳。店の女明日香の家に転がりこんでいるが地元の暴力団幹部、岩丸が明日香に目…

「楽園のつくりかた」笹生陽子

「楽園のつくりかた」笹生陽子 角川文庫400本 エリート中学生の優が、突然ド田舎の分校に。同級生はばかまるだしのサル男、美顔のオカマちゃん、無言の根暗女。田舎生活満喫の能天気な母とボケはじめたじいちゃん。ガリベンして東大に入って一流企業に就職、…

中毒、6月に買った本

なんだか読みたい気持ちが爆発して、6月は本を買い過ぎ。まあいいんですよ買うのは。問題はこの明らかに収納をオーバーして部屋中に平積みになってる未読本の山なんですね。せいぜい読める本は月に10冊程度。これは図書館の借り出しで手いっぱいなのに、…

「夏のこどもたち」川島誠

「夏のこどもたち」川島誠 角川文庫438本 新作なのかなと思ったら、91年作。あの「800」よりも前の作品。 朽木元中学三年生、学業は優秀だけど運動はからきしだめ。なぜなら僕には左目がないから。世の中をクールに観察する立場を決めているのに、先生の…

「イッツ・オンリー・トーク」絲山秋子

「イッツ・オンリー・トーク」絲山秋子 文芸春秋1429本 蒲田に住む貧乏絵描き橘優子、EDの都議会議員本間、元ヒモのいとこ祥一、鬱病のヤクザ安田、時々会うだけの“痴漢”。自殺した同級生の死に縛られ、新聞記者の道からドロップアウトし、躁鬱で入院暦の…

「雨にぬれても」上原隆

「雨にぬれても」上原隆 幻冬舎アウトロー文庫495本 「人生、下手に生きるのも悪くないー。」といううたい文句につられて買った本。幻冬舎のWebマガジンで連載された作品らしい。取材した話を著者の主観を排除し、そのまま記す形式のショートストーリーで、…

「けい子ちゃんのゆかた」庄野潤三

「けい子ちゃんのゆかた」庄野潤三 新潮社1470 「貝がらと海の音」(新潮社)以来、生田の老夫婦の晩年をテーマにした連作の10作目。80歳を越え、二人目のひ孫が誕生し、近所のスーパー建設計画で庭先にやってくる小鳥たちの顔ぶれが変わり、大阪行きはグ…

「HEARTBEAT」小路幸也

「HEARTBEAT」小路幸也 東京創元社ミステリ・フロンティア1575 小路幸也(しょうじゆきや)さんは昨年末、「そこへ届くのは僕たちの声」(新潮社)を図書館の新刊コーナーで見かけてビビっときた作家さん。まったく事前情報なしに巡り会う作家さんって運命じ…

次の冒険、「渚にて」久世光彦

「渚にて」久世光彦 集英社1800本 装画 北久美子冒険もの続き。 クルージングスクールで遭難、南海の孤島(モアイ・キャット島)にたどり着いた少年少女。年長でリーダー格の宗近、ボーイッシュなカスミ、小柄で年下料理熱心なフライデー、体育会系の体力少…

名古屋で「アマゾニア」粕谷知世

6月中旬、3日ほど名古屋付近に出張してました。周りに何もない工場と目の前のホテルに缶詰で、Jは密かにアマゾンの奥地にトリップしてました。軽めの本ばかり読んでるJには珍しく大作、3週間ごし。「アマゾニア」粕谷知世 中央公論新社2000本 装画 高橋…

6月中旬の読書

「真夜中のマーチ」奥田英朗 集英社1500本 学生時代ヤクザなイベントで小金を儲け、そのまま半端なプロデュース会社をジリ貧で経営する健司(ヨコケン)、そのイベントの参加者、有名商社に勤め抜群の記憶力や頭の回転を持ちながらも過集中のために落ちこぼ…

6月上旬の読書

でいりーと銘打った割に、やっぱり溜めてしまうJです。「逃亡くそたわけ」絲山秋子 中央公論新社1300本 福岡の精神病院の開放病棟から逃走した躁状態のあたし(花)。連れは鬱から回復しつつあるなごやん(蓮田司)。自分の異常を自覚しながらも、薬で何か…

「夢二デザイン」エピ・ブックス

残った週末は毛布を洗濯して、図書館と本屋さんに。本屋さんにも誘惑がいっぱい。本日の購入本 「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」山本由香 インターシフト発行/合同出版発行2200本体 「夢二デザイン」エピ・ブックス 2800本体 「ベトナムぐるぐる。…

吉祥寺、茂田井武、武井武雄

東京に戻ってきた友だち、Gちゃんと吉祥寺へ。例によって布屋さんをチェック。他に雑貨屋さん、おもちゃ屋さん、本屋さんとブラブラ。 本日の第一のお買い物は、トムブボックスさんが発行されてる挿絵画家の茂田井武さんの選集2冊と武井武雄さんの昭和2年…

「若かった日々」レベッカ・ブラウン

「若かった日々」レベッカ・ブラウン 柴田元幸訳 マガジンハウス1600本体 記憶にくっきりと刻印された子供の頃の体験を描いた、自伝的連作短編集。家族と自分の模索、父と母の不和、父への期待とそれを裏切られ事から抱いた辛辣な感情、そして年を経ての両親…

広島、「魔法探偵」南條竹則

広島に出張してました。なんだか恥ずかしいようなプリティなビジネスホテル。1割引で6120也。ここは何故かデスクに「和英対照仏教聖典」(仏教伝道協会)が置いてあります。本は読み終わってしまい、火曜サスペンス劇場みてました。「魔法探偵」南條竹則 集…

「夏休み」中村航

「夏休み」中村航(こう) 河出書房新社1300本自宅で翻訳の仕事をする僕(守)と、妻のユキ、妻の母“ママ”。そして妻の友だち舞子とその夫、吉田くん。義理の友人との奇妙な連帯感。そして突然の吉田くんの家出から、転じて二人の男が妻たちを追いかける旅に…

「ソナタの夜」永井するみ

「ソナタの夜」永井するみ 講談社1800本最近の永井さんの作品は家庭と、女の生きがい(多くは仕事)と、恋というか男女関係というのがテーマになっている。特に短編小説でこのバランス(あるいはアンバランス)がすごくいいと思う。同じ年代の女の目からとて…

「この骨董が、アナタです。」仲畑貴志

「この骨董が、アナタです。」仲畑貴志 講談社2000本「骨董」ネタが好き。といっても実際に骨董は何もわからない。ただ、「美」とか「芸術」とかいうあいまいなものやいろんな「欲」に翻弄され、創る人、求める人、商う人それぞれの業みたいなものが実に端的…

「探偵伯爵と僕」森博嗣

「探偵伯爵と僕」森博嗣 講談社ミステリランド森さんはちゃんと読みたいと思っている作家さんの一人だけど、膨大な作品で手がつかない。ミステリランドシリーズのこの本は単独作品で森さんのちゃめっけと、生命、悪と罪、大人についてなど大切な思想が物語の…

「代筆屋」辻仁成

「代筆屋」辻仁成 海竜社1300本まだ売れない作家が口コミで代筆を引き受けるという設定が実にずるくて、上手い。このご時世に手紙、それも代筆してまで手紙を渡したいということは、もう必然的にドラマがあるってことなので。本来たった一人だけに宛てたもの…