「雀」谷村志穂

「雀」谷村志穂 河出書房新社1600本
裕福な男性を渡り歩き豪華で気ままな愛人生活を罪悪感なく続ける雀。その学生時代のダンスメイトの女4人。それぞれが独自の恋愛感を持ち、今の自分に満ち足りず何かを求めている。そんな5人を魅了する「砂漠に木を植える」という夢。女達の抱える悩みと限界、希望。時間を経て彼女たちはどう変っていくのか、そして本当に欲しい男とであった時雀はどう変るのか。
この話の友人達、そして著者の谷村さんは雀を正直で「愛しい」という。私にはとてもそうは思えない。稼ぐことが偉い訳じゃないけど、雀のように生きられない以上、地味に働きささやかな楽しみを見つけなんとか暮らす自分を認めてあげて、雀を“可哀想”とを思うこと、これが私の支えかも(愚かなことではあっても)。