「若かった日々」レベッカ・ブラウン

「若かった日々」レベッカ・ブラウン 柴田元幸訳 マガジンハウス1600本体
記憶にくっきりと刻印された子供の頃の体験を描いた、自伝的連作短編集。家族と自分の模索、父と母の不和、父への期待とそれを裏切られ事から抱いた辛辣な感情、そして年を経ての両親への共感。そして性的な好意よりむしろ生き方への憧れとしてのレズビアンであることの目覚め。幼い頃から培われた観察する視線、一瞬の感覚を記憶する感性、著者が残酷な現実からあれほど繊細で切実な物語を紡ぎだした秘密に触れているのか。