「探偵伯爵と僕」森博嗣

探偵伯爵と僕森博嗣 講談社ミステリランド

森さんはちゃんと読みたいと思っている作家さんの一人だけど、膨大な作品で手がつかない。ミステリランドシリーズのこの本は単独作品で森さんのちゃめっけと、生命、悪と罪、大人についてなど大切な思想が物語の主人公「僕」(馬場新太)の言葉を借りて随所に表現されている。夏休み、謎の探偵“伯爵”、その秘書チャフラフスカとであった僕。同級生のハリィ、ガマが行方不明となる事件が起こり、僕は重要な証人であり、伯爵とともに犯人を捜すことに。最後に一ひねりもあるんだけど、とにかく理屈やで早熟で同時に幼くもある、けどその分単純な疑問と希望に満ちた僕の語りが素晴らしい。冒険探偵小説。