次の冒険、「渚にて」久世光彦

渚にて久世光彦 集英社1800本  装画 北久美子

冒険もの続き。
クルージングスクールで遭難、南海の孤島(モアイ・キャット島)にたどり着いた少年少女。年長でリーダー格の宗近、ボーイッシュなカスミ、小柄で年下料理熱心なフライデー、体育会系の体力少年黒木、成熟した体とアンバランスな精神の未知、根暗で協調性に欠ける小林、そしてやや優柔不断のサブリーダー冬馬。
隔離され、救助の望みも薄い絶望的状態で生き残るために、精神的にも肉体的にも追い詰められるメンバーを襲う自然の脅威。そして大人になりつつある者だけの危ういバランス。そして女の子達の妊娠、生きる希望であるハウスの建設など彼らが重ねる年月の物語。それぞれがこの島に見たものはなんだったのか。
結末はちょっと?な部分もあるけど、ちょっと大人版の十五少年漂流記。バランス感覚はよい冬馬からみた物語だけど、メンバーの書き込みはちょっと弱いかな。この本の装画も繊細で、美しくて南の島の雰囲気たっぷり。
久世さんの「卑弥呼」は高山に旅行した時に移動の電車の中や、ホテルで夢中になって読んだ記憶のある本。昼のドラマになった時も毎日録画して見てた。読み返したいなぁ。
渚にて On the beach