広島、「魔法探偵」南條竹則

junko-jjb2005-05-24

広島に出張してました。なんだか恥ずかしいようなプリティなビジネスホテル。1割引で6120也。ここは何故かデスクに「和英対照仏教聖典」(仏教伝道協会)が置いてあります。本は読み終わってしまい、火曜サスペンス劇場みてました。

「魔法探偵」南條竹則 集英社1800本
南條さんは日本ファンタジーノベルズ大賞を受賞された「酒仙」、その賞金をめぐる「満漢全席」を読んだけど久しぶり。作風から中国古典の研究者かと思いきや、英文学者らしい。本作品は祖母らに溺愛され育った詩人の「吾輩」、鈴木大切が家族、財産を失くし、糊口をしのぐため探偵家業をはじめるお話。老医師の操る神秘香学の技によって、“あちら”の世界の詩聖らの宴に紛れ込んだことをきっかけに、幽霊の助手を使い、物の怪やら変幻に出会い、幽霊の依頼を受ける。浅草の「新世界」や、大阪万博など古きよき時代への郷愁と我輩の古風な語り口、怪しさとユーモアがミックスされた、“あっち”の世界に足を突っ込んでしまう話好きの私には愉快な作品。