2005-01-01から1年間の記事一覧

中毒、6月に買った本

なんだか読みたい気持ちが爆発して、6月は本を買い過ぎ。まあいいんですよ買うのは。問題はこの明らかに収納をオーバーして部屋中に平積みになってる未読本の山なんですね。せいぜい読める本は月に10冊程度。これは図書館の借り出しで手いっぱいなのに、…

「夏のこどもたち」川島誠

「夏のこどもたち」川島誠 角川文庫438本 新作なのかなと思ったら、91年作。あの「800」よりも前の作品。 朽木元中学三年生、学業は優秀だけど運動はからきしだめ。なぜなら僕には左目がないから。世の中をクールに観察する立場を決めているのに、先生の…

「イッツ・オンリー・トーク」絲山秋子

「イッツ・オンリー・トーク」絲山秋子 文芸春秋1429本 蒲田に住む貧乏絵描き橘優子、EDの都議会議員本間、元ヒモのいとこ祥一、鬱病のヤクザ安田、時々会うだけの“痴漢”。自殺した同級生の死に縛られ、新聞記者の道からドロップアウトし、躁鬱で入院暦の…

「雨にぬれても」上原隆

「雨にぬれても」上原隆 幻冬舎アウトロー文庫495本 「人生、下手に生きるのも悪くないー。」といううたい文句につられて買った本。幻冬舎のWebマガジンで連載された作品らしい。取材した話を著者の主観を排除し、そのまま記す形式のショートストーリーで、…

「けい子ちゃんのゆかた」庄野潤三

「けい子ちゃんのゆかた」庄野潤三 新潮社1470 「貝がらと海の音」(新潮社)以来、生田の老夫婦の晩年をテーマにした連作の10作目。80歳を越え、二人目のひ孫が誕生し、近所のスーパー建設計画で庭先にやってくる小鳥たちの顔ぶれが変わり、大阪行きはグ…

「HEARTBEAT」小路幸也

「HEARTBEAT」小路幸也 東京創元社ミステリ・フロンティア1575 小路幸也(しょうじゆきや)さんは昨年末、「そこへ届くのは僕たちの声」(新潮社)を図書館の新刊コーナーで見かけてビビっときた作家さん。まったく事前情報なしに巡り会う作家さんって運命じ…

次の冒険、「渚にて」久世光彦

「渚にて」久世光彦 集英社1800本 装画 北久美子冒険もの続き。 クルージングスクールで遭難、南海の孤島(モアイ・キャット島)にたどり着いた少年少女。年長でリーダー格の宗近、ボーイッシュなカスミ、小柄で年下料理熱心なフライデー、体育会系の体力少…

名古屋で「アマゾニア」粕谷知世

6月中旬、3日ほど名古屋付近に出張してました。周りに何もない工場と目の前のホテルに缶詰で、Jは密かにアマゾンの奥地にトリップしてました。軽めの本ばかり読んでるJには珍しく大作、3週間ごし。「アマゾニア」粕谷知世 中央公論新社2000本 装画 高橋…

6月中旬の読書

「真夜中のマーチ」奥田英朗 集英社1500本 学生時代ヤクザなイベントで小金を儲け、そのまま半端なプロデュース会社をジリ貧で経営する健司(ヨコケン)、そのイベントの参加者、有名商社に勤め抜群の記憶力や頭の回転を持ちながらも過集中のために落ちこぼ…

6月上旬の読書

でいりーと銘打った割に、やっぱり溜めてしまうJです。「逃亡くそたわけ」絲山秋子 中央公論新社1300本 福岡の精神病院の開放病棟から逃走した躁状態のあたし(花)。連れは鬱から回復しつつあるなごやん(蓮田司)。自分の異常を自覚しながらも、薬で何か…

「夢二デザイン」エピ・ブックス

残った週末は毛布を洗濯して、図書館と本屋さんに。本屋さんにも誘惑がいっぱい。本日の購入本 「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」山本由香 インターシフト発行/合同出版発行2200本体 「夢二デザイン」エピ・ブックス 2800本体 「ベトナムぐるぐる。…

吉祥寺、茂田井武、武井武雄

東京に戻ってきた友だち、Gちゃんと吉祥寺へ。例によって布屋さんをチェック。他に雑貨屋さん、おもちゃ屋さん、本屋さんとブラブラ。 本日の第一のお買い物は、トムブボックスさんが発行されてる挿絵画家の茂田井武さんの選集2冊と武井武雄さんの昭和2年…

「若かった日々」レベッカ・ブラウン

「若かった日々」レベッカ・ブラウン 柴田元幸訳 マガジンハウス1600本体 記憶にくっきりと刻印された子供の頃の体験を描いた、自伝的連作短編集。家族と自分の模索、父と母の不和、父への期待とそれを裏切られ事から抱いた辛辣な感情、そして年を経ての両親…

広島、「魔法探偵」南條竹則

広島に出張してました。なんだか恥ずかしいようなプリティなビジネスホテル。1割引で6120也。ここは何故かデスクに「和英対照仏教聖典」(仏教伝道協会)が置いてあります。本は読み終わってしまい、火曜サスペンス劇場みてました。「魔法探偵」南條竹則 集…

「夏休み」中村航

「夏休み」中村航(こう) 河出書房新社1300本自宅で翻訳の仕事をする僕(守)と、妻のユキ、妻の母“ママ”。そして妻の友だち舞子とその夫、吉田くん。義理の友人との奇妙な連帯感。そして突然の吉田くんの家出から、転じて二人の男が妻たちを追いかける旅に…

「ソナタの夜」永井するみ

「ソナタの夜」永井するみ 講談社1800本最近の永井さんの作品は家庭と、女の生きがい(多くは仕事)と、恋というか男女関係というのがテーマになっている。特に短編小説でこのバランス(あるいはアンバランス)がすごくいいと思う。同じ年代の女の目からとて…

「この骨董が、アナタです。」仲畑貴志

「この骨董が、アナタです。」仲畑貴志 講談社2000本「骨董」ネタが好き。といっても実際に骨董は何もわからない。ただ、「美」とか「芸術」とかいうあいまいなものやいろんな「欲」に翻弄され、創る人、求める人、商う人それぞれの業みたいなものが実に端的…

「探偵伯爵と僕」森博嗣

「探偵伯爵と僕」森博嗣 講談社ミステリランド森さんはちゃんと読みたいと思っている作家さんの一人だけど、膨大な作品で手がつかない。ミステリランドシリーズのこの本は単独作品で森さんのちゃめっけと、生命、悪と罪、大人についてなど大切な思想が物語の…

「代筆屋」辻仁成

「代筆屋」辻仁成 海竜社1300本まだ売れない作家が口コミで代筆を引き受けるという設定が実にずるくて、上手い。このご時世に手紙、それも代筆してまで手紙を渡したいということは、もう必然的にドラマがあるってことなので。本来たった一人だけに宛てたもの…

「古本道場」角田光代・岡崎武志

「古本道場」角田光代・岡崎武志 ポプラ社1400本すごく面白くて、購入、即読。角田光代さんが、古本道の師匠岡崎さんの指導で古書迷宮に踏み入り、神保町から、渋谷、東京、早稲田、青山、西荻など都内各所、鎌倉(+海外)を巡り、それぞれの色合いの古本屋…

平日のお休み

創立記念日で年に一度の平日休み。お役所に用事があって家をでる。どっちがメインか判らないけど、図書館、本屋さん、古本屋さんといつものフルコースに。どこも結構混んでいるこが不思議なんだけど、週末よりものどかに感じるのは気のせいか?みなさんのご…

連休最後の読書

連休最後の一日(結局どこにも出かけず読書三昧の堕落した一日)「少女伝」大野靖子 講談社2200本 麻生で、どこか浮世離れした両親と美しい兄姉妹に囲まれ、母の愛はなくも周囲に大切にされ育った麻子。裕福で幸せな家族が音を立て、崩壊していく様、その中…

連休中盤の読書(会社にも出てみたりして)

「海月書林の古本案内」市川慎子(のりこ) ピエ・ブックス発売元 1600本 ネット古書店「海月書林」の店主さんが紹介する愛らしい古書たち。「オンナコドモ」というのは男性目線のやや舐めた呼称であったと思うけど、なんのその世の中はオンナコドモの趣味嗜…

連休前半(帰省中)の読書

「ラッシュライフ」伊坂幸太郎 新潮文庫629本体いまや押しも押されぬニューウエーブ作家(というらしい)の伊坂さんの2作目。幻想的な前作から方向転換して、仙台の町を舞台に、画商と金で買われた女画家、知的で人生を見通したような泥棒黒澤、神(タカハ…

連休前の読書、「古道具 中野商店」川上弘美

「古道具 中野商店」川上弘美 新潮社1400本 どうも「手仕事」「古道具」「骨董」「職人」とかいった言葉に弱いんでアル(笑)。 古道具屋(骨董とかアンティークではない)を営む、中野さんと姉のマサヨさん、アルバイトのわたし(ヒトミ)とタケオ。愛人さ…

水泳、「インターネットで古本屋さんやろうよ!」芳賀健治

私、シドニー以来水泳の北島選手のファンです。今では超人気者になってしまったカレ、今度の日本選手権200mで三位になって世水の代表を逃してしまった!(50,100mでは代表)燃え尽き症候群か?とか叩かれたりしてますが、もともと私は彼が負けた…

「Teen age」(アンソロジー)

「Teen age」 川上弘美、瀬尾まいこ他 双葉社1365 (アンソロジー) 今をときめく人気女流作家7人(角田光代、瀬尾まいこ、藤野千夜、椰月美智子、野中ともそ、島本理生、川上弘美)のティーンを主人公にしたアンソロジー。同じ年頃の少年少女を主人…

「俯いていたつもりはない」永井するみ

「俯いていたつもりはない」永井するみ 光文社1900本永井さんは専門性を備えたミステリーに女性の視線と一気に読ませる熱というか力を備えていて、96年の「枯れ蔵」以来ずっとブレイクを待っている作家さん。 シングルマザーの母志乃に育てられ、子供を自…

「さよなら妖精」米澤穂信

先日またも布のまとめ買いをしてしまったので、水通し&アイロンのために布を散らかしてあるのと、久々にパッチワークをちょこちょこと始めたので、いきなり読書量が激減です。初めてのフープを使ったキルティングは、運針で刺していた”うそっこキルト”より…

図書館の本、「ぐるりのこと」梨木香歩

私は読書の殆どを図書館に頼っているのだけど、ときどき当たるひどく汚れた本、傷んだ本には心が痛む。この本は、名前は知らないけどザラリとした手触りの真っ白な紙をカバーにつかったシンプルな装丁で、汚れがより目立って切ない。「ぐるりのこと」梨木香…