「古本道場」角田光代・岡崎武志

「古本道場」角田光代岡崎武志 ポプラ社1400本

すごく面白くて、購入、即読。角田光代さんが、古本道の師匠岡崎さんの指導で古書迷宮に踏み入り、神保町から、渋谷、東京、早稲田、青山、西荻など都内各所、鎌倉(+海外)を巡り、それぞれの色合いの古本屋さんを楽しみ、古本を物色し、本の魅力を再確認する。読み手もいっしょに古本道の魔力、魅力を垣間見るとともに、角田さんご自身の感性を堪能できる。岡崎さんの薀蓄も、愛があふれていてイヤミでない。角田さんは盛んにご自身の無知を恥じているが、彼女が挙げる作家さん実は私殆ど知らないわけで、角田レポートの本当の面白さを半分もわかってないのだろうな。また、古書探索につれ、数珠つながりに知識の糸が繋がり、興味がどんどん広がって、広がるとまた次のキーを見つけてという面白さを本を通しての発見していくのだけど、そういうことってある、ある。読書の楽しさの幾分かはそういうことだし、例えば趣味の探索でも、数学なんかで式の意味が理解できる時の快感も、あるいは人間関係なんかでも同じような満足というか興奮があるのかも知れない。なんというか求めるところに発見も満足もあるのだと、しみじみ思う。カバー下の装丁も実に可愛らしく愛蔵することになるであろう一冊。 
古本道場