「埋み火」日明恩/11

「埋(うず)み火 Fire‘s Out」日明恩(たちもりめぐみ) 講談社1800本
出張で持っていく本は旅行よりも更に難しい。今回は完全に失敗。行きの飛行機でハマり仕事前日なのに最後まで読んで夜中に(泣)。しかも帰りに買った本は機内に忘れてきた、トホホ。
シリーズ2作目、金のためと嘯きながらも実は熱血の消防士雄大。死者まで出した現場で感じた違和感、余りにできすぎた偶然の重なりから、失火を装った老人の連続自殺火災が見えてくる。そして彼らの影に少年裕孝(ゆたか)の存在。ミステリーとしては後半(裕孝とのやり取り)は完全に蛇足。が困ったことにそういう青臭さが気に入ってる。雄大の愚直なまでのまっとうさが眩しい。彼の目を通した消防署の面々、友人が熱く、活き活きと描かれていることは間違いない。