<8月下旬の読書>

「風の歌星の口笛」村崎友 角川書店1500本
第24回横溝正史ミステリ大賞受賞作。2217年交通事故から回復し愛する女性を失った男、偉大なマザーコンピューター、マムに統べられ機能を停止しつつある街、絶滅に瀕した地球から地球を模して創られた人工惑星へ探索に向かう調査員。未来のどこか3つの物語がつながるロマンチックSF(ミステリ)。ミステリとしては?で、欠点だらけだけどどっぷり浸る小説好きの私はいい感じに浸ってた。が最後の最後に納得いかず。(その辺り坂東真砂子さんの評がずばり)

「白いへび眠る島」三浦しおん 角川文庫629本
三浦しおんさんはエッセイが人気の方。こんなに素敵な(J好みの)小説も書いていたんだなぁ。(平成13年作品)
南海の小さな拝島(おがみしま)。不可思議な異界の力との戦いを題材にした島を舞台とする伝奇的な味付けの青春物語。なんと言っても悟史と光市という二人の青年が魅力的。違和感、疎外感を抱え島を出たいと思う悟史と、彼の目を通して島の魅力そのものでもあり、希望でもある光市を見る読者は、憧憬、畏怖、時に嫉妬を感じる。
この作品映像化したらどうだろう?オカルトテイストをちょっぴり入れて、島の自然と、二人の少年(青年)の夏の冒険物語で。 全部を説明することはできないけど、この夏Jの一番です。