週末の読書

まとめて<ときどき・にゅーす>に更新するのは結構面倒。どうせ記録していくのなら、いっそ個別に載っけてくようにしようか?と突然別日記を始めてみました。さて続くのでしょうか?

失踪日記吾妻ひでお イースト・プレス1140本
突然の失踪から自殺未遂、路上生活、肉体労働、アルコール中毒、強制入院まで、ご本人曰く「描いてないこともあるけど描いてあることは全部実話」という、壮絶であろう日々を笑える話に昇華したノン・フィクション。「ホームレスやってると働きたくなる。肉体労働やってると芸術がしたくなる」とのこと、やっぱ根っからのマンガ家さんなのだ。SFのしっぽを持つ身としては懐かしい絵。繰返し読もう!

春期限定いちごタルト事件米澤穂信(ほのぶ)創元推理文庫580本
青春小説としての魅力と謎解きの面白さを兼ね備えた作風で注目の作家さんらしい。過去の経験から目立たず、騒がず小市民を目指す、小山内さんと小鳩くん。しかし元来の執念深さの小山内さん、頭が回るゆえの小賢しさ、口出したがりを捨てたがっている小鳩くんの前に起こる事件。ポシェット紛失、先輩の残した下手くそな絵、おいしいココアの入れ方に、試験中の飲料ビンの落下事件、そして自転車泥棒と詐欺未遂事件。恋人でもないただ互いを助ける相恵関係の二人と小市民を目指す二人の前に立ちはだかるおせっかいで善人の健吾と姉の知里。葛藤する二人のそれなりの青春と決意の先から事件に首を突っ込むハメに陥る悲しい性に泣き笑い。今後の作品が楽しみ。
あとがきはライトノベルを紹介するWebサイト「まいじゃー推進委員会!」の管理人極楽トンボさん。

「特別室の夜」伊野上裕伸 文芸春秋1857本
湘南老荘病院の特別病棟の主任看護師に引き抜かれた深沢理恵。近代的で、高い理想の元にマスコミでも取り上げられる、老人医療のモデルケースでもある病院。その特別室では高額の入院費と引き換えに、全てが許される。が生き別れ記憶喪失となった父が入院することになり病院に対する疑惑が浮かぶ。損害保険調査員の経歴をもつ著者は、損害保険会社裏側や、裏流通の世界を描いた社会派ミステリを書いてきた人らしい。本作もミステリの体裁だけど、謎解きというより老人医療の実態にせまり、これからの医療のあり方を問う作品。

あぁ使い方が全然判らない(笑)